ぱちぱちソーダ

思ったままに。

心を引っ掻く/『ルックバック』

チェンソーマンを描いた(まだ続くようですが)藤本タツキ先生の新作読み切り『ルックバック』を読みました。


7月19日(月)公開~現在まで電子版のみ、9月頭には単行本化も決定とのこと。元々単行本化するつもりで公開したんだろうとは思いましたが、なかなか早い展開にすごいなと素直に驚きました。

まず、漫画そのものの感想はどんな作品も十人十色、賛否両論あるものだと私は基本的に思っています。
『ルックバック』に関する沢山の読者のツイートやコメント欄のコメントも同様でした。


話題が話題を呼び、深夜公開にも関わらず2日間で400万閲覧数はすごいですね。良くも悪くも皆期待をしたり気になったりしてたんだなぁとしみじみ感じました。


これは、私が本作を何度か読んでみて感じたことをただ書きたいなと思っただけの文章です。
別に誰も読まなくてもいいし、読んでくれてもいい。
基本的に作品を乏したり誹謗中傷の類は書かないので、その点はご安心を。
まだ読んでないけど気になってる人とかは『ふーん、そんな感じなんだ、へぇ〜』くらいの感覚で受け止めてくれたらいいかと思います。もう読んだ人は自分の感覚とか感想を大事にすべきで、私という個人との感覚のズレとかいちいち気にする可能性があるならば、ここから先は読まなくていいかと思います。
まぁそんな感じで。





ところで私はつい最近、同作者の『チェンソーマン』を読んだばかりでした。そのためか首が飛んだり身体が爆発したり、なんかぶっ飛んだクレイジーな話が読み切りで来るのかなぁ〜とぼんやり思っていました。しかしいざ蓋を開けてみれば、絵を描くことが好きな二人の女の子の話で、学校?日常を描いてるっぽい。
正直、1頁目では『ふぅん。』くらいの第一印象でした。



お話はこんな感じ。



小学校で四コマ漫画を学級新聞に寄稿する藤野。

引きこもりで学校に通っていないが、途中から同じく学校新聞に寄稿を始める京本。

"絵を描くこと"以外にとくに2人を結ぶものはなく、引きこもりの京本は四コマの枠線の中に“風景”を描くことを始める。学校の下駄箱や少し背の高い花畑など、藤野はよく書き込まれたまるで大人の「絵画」のようなそれらを見てあまりの上手さに絶句。『自分より絵が上手い人がいるなんて!』とズンズンと通学路を突き進み、その日から人の骨格などを中心に本を読み漁り絵の練習に励んでいく。その間も京本は黙々と風景を描き定期的に学級新聞に寄稿していた。

二人が小学校を卒業するというの日。
藤野は担任から卒業証書を託される。相変わらず引きこもっていた京本にこれを渡してくれとお願いされ、藤野は京本の家ヘ。すると、京本のいる部屋に続く廊下の両側には、山盛りのスケブがズラっと並んでいた。
その場で藤野はとある四コマ漫画を描きはじめる。そして、それはうっかり京本の部屋の中へと吸い込まれてしまい…

あっ、これやばいんじゃ!?と思った藤野(多分)。
彼女は卒業証書を置き急いで京本の家を後にする。そんな藤野を後ろから追いかけてくるのは………



めちゃくちゃ長くなるので、冒頭をメインにしたあらすじはここまで。



話の内容としては多分この後の展開も含めて、『よくある展開』というものかなと私は思ってます。

人生は山あり谷あり。
嬉しいこと、幸せなことの後には悲しいことがあって、それを経験したのち果たして彼女は前を向くことが出来るのか。
そんな感じです。


でもなぜか私にはこの作品が刺さりました。 漫画としては「ありきたりな話」、そう思ったのに。
そう、刺さったんですよね。文字通り。



単純に、ものすご~〜くシンプルに言うと、

『よくこの内容を143頁に収めたな…!?すごい…!』

でした。


私が言う「内容」には物語の起承転結の他に、物語のテーマ、藤野と京本の関係性、物語から読者に伝えたいこと、作者がやりたいこと…などそれら全てが含まれています。
そういうもの全てが余すところなく143頁の『ルックバック』という物語に内包されていて、それは視覚的に認識できる『絵』を中心にしっかりと伝わってきました。


『絵』に関してはとにかく隙がないという印象で、一つ一つ、一コマ一コマが綿密に計画されていて頁を構成しているという印象がとても強かったです。


その中でもとくに『背景』と『表情』。(表情に関しては後半でサラッと私が触れるのみです)


藤野が机に向かって絵を書く時、漫画を書く時、なにかに打ち込む時は必ず藤野の背中を後方から引きで描いています。

その部屋の窓から見える景色は、そこに存在するものそれ自体は変わらないのですが四季を巡る様子がしっかりとこと細かに描かれていて、同時にどんどんと増えていく本棚の本にも目が行きます。それはデッサンや絵に関する教本で、藤野が時の流れの中でどんどんと絵に没頭する様子が描かれています。(他にも田舎の田園風景、畦道、異国の景色、賑わう街並みなどとにかく背景が充実していました。書き込みだけでなく、どのコマにどの景色が…みたいなはめ込み方も上手いと思います。人の感情とともに流れる街並み…みたいな感じで、背景・風景で人の感情を感じさせるってなかなかできないと思いました。)


『漫画に打ち込む藤野の後ろ姿』

これは物語の随所で繰り返し登場するのですが、それぞれの対比が面白くてすごくて個人的には唸りポイントでした。

とくに冒頭の、「京本より上手くなってやるー!」と絵に打ち込むシーンと、後半らへんの同じようなシーンを対比すると分かりやすかったように感じます。
ここでは背景の対比もそうなのですが、人の背中に注目。人の背中って絵で描かれても『語る』んですね。言葉、ではなく、背中から滲む感情のようなものを見る人に伝えることって出来るんだ…と驚きました。
背中自体は誰でも描けると思うんですけど、台詞も効果音もない静かな世界(部屋)で背景もしっかり描き込みつつ、私たちの視点は人物の背中一点に集める。これは本当にすごいなぁと感動しました。コマ割りやカメラワークが上手いんです。台詞の無いコマがとくに。

この感覚は最初読んだ時はなんとなくだったのですが、2回目読んだあたりから心に引っ掛かりを覚え、3回目でやっと気づきました(遅い)
私なりにその正体に気づいた時、そこでやっと感動したのですがその感動はかなり大きかったです。


そろそろあまり上手に展開できないなと思ってきたので、なんとなく綺麗にまとめてしまおうかと思います。


藤本先生は、この『心になんか引っ掛かる感じ』を残すのがとても上手いなぁといつも思います。


どの作者も、読者の心に残る話を…って勿論そんなふうに思って執筆してると思うんですけど、藤本先生は急に、ふっと引っ掻いてくるんですよね。チクッとしたり、グサリと思ったより深く刺さったり、かするくらいの強さだったり。とにかく急にくる。

よく「息を飲んだ」とか「息が止まった」とか言うけれど、それをどこから来るか分からない状態で椅子に括り付けられて…、気づいたら既に何度か経験しちゃってる。あれぇ?みたいな。


そんな藤本先生の作品はまるで映画を観てるようだ、ともよく思います。


別にこれは、本作に映画のタイトルが隠れていてそのオマージュがどうだから、とかそういう事ではありません。というか私はSNSなどで言われていた映画のタイトルとかオマージュについて、読んでて何も見つけられなかったし結局自力ではよく分かりませんでした。多分それがストレートに分かればもっと楽しめるんでしょうけど。まぁ私は気にしません。(皆いつもすごいですよね。本当によく見てるしよく読み解くよなぁと、その知識や観察力に感心しますし勉強になります。気づいてくれて作者はきっと嬉しいハズ)


皆さんが言っていた作中後半の悲しい事件についての在り方や、オマージュについてなどは私にとってはあまり重要ではありませんでした。

その頃の私は断然、『藤野と京本の関係性』に惹かれていたからです。

本作は、「二人の出会いからラストまでがまるで映画のように描かれている」と思いました。
劇的なシーンや感動的なシーンがあるから映画のようだと言いたい訳ではありません。

むしろ本作は「あぁ、そんな気持ち、あったよね」みたいな、なんとなくわかるよっていう感情が淡々と繰り出されてくる、そんな印象です。

絵を描くのが自分より上手くて嫉妬したり、触発されて何枚も絵を描いたり、褒められたら喜んで調子に乗ったり、憧れの人に会えて目を輝かせたり。
全てがありきたりでシンプルでわかりやすい。たったそれだけの感情なのに畳み掛けるようにいくつも押し寄せてくる。打ちのめされる。そしてそれは視覚的に、作画におけるキャラの表情からかなり濃くリアルに伝わってくるにも関わらず、最初から最後までひたすらにフィクション、ファンタジー、『漫画的』でした。


藤本先生は本作で色んなことを私たちに投げていきました。(多分。まぁ、ただ投げたな、と思ってますが。)


それは人によっては暴力的だったかもしれないし、穏やかさを感じたり感動した人がいて、笑った人も泣いた人も悩んだ人も、何も感じなかった人も勿論いたと思います。


こうやって私が長々と書いてること自体、藤本先生の策略にハマってるなぁ〜と思うんですが。つい書いてしまいました。


『死ぬ直前に思い出してもらえる一コマが描きたい」と藤本先生はよく言っているかと思いますが、誰かの心に引っ掛かる作品を生み出すこと自体難しいですよね。電子も普及するにつれ、昔に比べ作品数がかなり増えたかと思いますし。


それでも、人の心を引っ掻き続けてあわよくば人生の最期にまた性懲りも無く現れようとする。



『ルックバック』143頁。

よくもまぁ描いたな。と、私は今でも心を引っ掻きまわされています。

ヴァイオレット・エヴァーガーデンの話

おはようございます、こんにちは、こんばんは。



前回のヒプステ感想からは全く毛色が変わるのですが、今回は『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』について書きます。



既に映画館で観て、めちゃくちゃ感動した!最高!って思ってる方はこれ読まなくても大丈夫かと思います。なぜなら私も同じ気持ちだからです。




えっなにそれ、名前くらいしか知らないなぁ…とか、気になってるけどどうなの?とか。そういう人に少しと、あとは自分のために綴っていきます。



マイナスの感情をわざわざ抱えても仕方ないので基本的に批判や否定はしません。いいことばかりを並べる…というのもちょっと違って、私が思ったことを感情に任せてぽつりぽつりと吐き出していく感じです。

ネタバレはします。







もともとこの作品は、何かで配信してるアニメらしい、くらいの知識しかありませんでした。アニメ雑誌とかで簡単な宣伝ページを見かけても特に気にすることなくスルーしていました。制作が京アニというのは事前に唯一知っていて、でも『泣ける』『感動した』という類の感想を見る度に『そんなにお涙頂戴なのかな…』と逆に見る気が磨り減ってしまって。

なかなか最初の1歩を踏み出せない中、昨年の京アニでの事件がありました。他の作品はいくつか見ていたし、私はちょうどアラサーにして美大受験に挑戦していた真っ只中だったので、仕事にはしていないけれど制作の苦しみや人の手によって描かれたものの重さは少しは分かる、そんなタイミングでした。あれがあったから、という訳では無いですが、それから数日して私は隣町までこの作品をレンタルしに行っていました。
見てもないのにとやかく言うのは好きじゃないし、とりあえず1話目を見て合わなそうだったらやめればいいや、そんな気持ちで借りてきたのを覚えています。

まぁ結果的に、私は2回に分けて借りて全話見てしまったんですけど。





あ、ちなみに私はアニメを先に全話見ました。原作小説は今公開中の映画を機に買いましたが、上巻とエバーアフターはお取り寄せ中。ネタバレを気にする質ではないのですが、下巻と外伝は1度映画を見終えてから読みました。

とりあえずアニメシリーズと今公開している劇場版を中心に触れていきますね。
そこまで大きく外れたことは書かないと思いますけど、少々の誤差はお許しください。あと感想は人それぞれ、ということで。



アニメは、これは原作小説を読んでからしっくり来たのですが、ヴァイオレット・エヴァーガーデンという少女にフォーカスした成長物語でした。



というとそれだけじゃないわよ!!と言われそうなので先になんとなく説明しておきます。


名前をもたない、感情をもつ機会も失っていた少女は戦争のさなか拾われ戦場へ『武器』として駆り出されます。その少女を手元に置き、名前を与え、文字の読み書きを教えたのはギルベルト少佐という陸軍の男性でした。少女に『ヴァイオレット』という名前を与えささやかな愛情を傾ける傍ら、戦場へと共に繰り出し彼女に命令をし敵兵を殺す道具として扱うことしか出来ないギルベルト。道具ではないと言いながらそんな扱いしかできない自分に罪悪感を抱くギルベルトはそれでもヴァイオレットを手離さず傍に置きます。

そんな2人の別れは最終決戦の場。やはり戦場でした。右目を負傷したギルベルトを抱え、自身もボロボロになりながら絶対に死なせないと歩みを進めるヴァイオレット。しかし爆薬が投げ込まれ状況も悪化し、ヴァイオレットの負傷していた両腕は鈍い音を立てながら地面へと落ちていきます。瀕死の状態になりながら、ギルベルトはヴァイオレットに『生きて自由になりなさい』と告げます。しかし、信仰にも近い気持ちでギルベルトを慕っていたヴァイオレットはその場を離れようとはしません。両腕を失ってもなお、助けようと必死になる姿にギルベルト『もうやめてくれ』と叫びます。そして、ヴァイオレットに最後に言った言葉は『心から あいしてる』でした。

ここで爆風に襲われ、2人は離れ離れに。互いが生きているのか死んでいるのかも分からない状態で別れを迎えます。

ヴァイオレットはギルベルトの最後の言葉、『あいしてる』の意味がわかりませんでした。その言葉を他人から与えられたことはなく、本当の意味でわからなかったのです。

両腕に義手を施され一命を取り留めたヴァイオレットは、ひとまずギルベルトの親友ホッジンズにお世話になります。しかし以前にも増して感情を失い人形のような彼女に周囲は戸惑います。
そんななか、ホッジンズの立ち上げた郵便社でヴァイオレットは自動手記人形・通称『ドール』という仕事に出逢うこととなります。このドールという仕事は、誰かの手紙の代筆を行うものでした。識字率も低く、まだ電話も登場していない時代でした。
そして、依頼人が紡ぐ言葉の中に『あいしてる』を見つけたヴァイオレットは、このドールという仕事を通してギルベルトが最後に自分に与えてくれた言葉の意味を、『あいしてる』の意味を知ることが出来るのではと思い至ったのです。

そしてそこから、ヴァイオレット・エヴァーガーデンが自動手記人形 "ドール" として仕事を通じ、人のことば、そして心に触れてゆく姿が描かれてゆきます。



みたいな感じですかね。
めちゃくちゃ端折ってますけど。



で、現在公開中の映画は、『あいしてる』を教えてくれたギルベルトにもしかしたら会えるのでは…?というお話。
アニメはほぼ1話完結型で進んでいって、彼女がドールとして、人として形を成して成長していく姿に焦点を置いています。ギルベルトは回想でしか出てきません。それでも、ヴァイオレットは周囲になんと言われても彼が生きているとずっと信じていたので、この映画は会いたかった人にやっと逢いに行くお話なんです。そしてそれと同時進行で、とある代筆依頼も舞い込み、それらを絡めて物語は進んでいく、という感じ。



説明ばっかりになっちゃったけど、ここからは感情のままに吐き出しますね。




と~〜~~にかく!!とてもよかった。




私は3回観たのですが、1回目、ラスト5分くらいのとこで本当に本物の鳥肌がたちまして笑

予告からね、ハッピーエンドっぽいことはわかってたんですよ。で、私はぶっちゃけもっと早くギルに会えると思ってた!!のに!!全然会えん!!!!笑


途中1時間過ぎたくらいからモヤモヤが溜まりすぎてまじで爆発するかと思ったわ。

ギルはね、結局自分のせいで両腕を失った彼女にはもう会えないという言い分だったんですよね。これ、そんなのお前の気持ちオンリーだろ!!!!って言いたくなる人ももちろんいたと思うんですけど、まぁ…ギルの気持ちも分かるんですよね…。でもギルのせい、というよりそれは戦争そのもののせいだし、ヴァイオレットは会いたいから逢いに来たのに。観てる時は『早く会ってやれよ!!』しか心の中で言えなかったんですけど、後から『あぁ、ギルは結局まだ1人で戦争をしていたんだなぁ』と。

名前も生きていく土地も変えて以前の自分は死んだとホッジンズに言ったくせに、ほんとのところ、彼の中ではまだ戦争は終わってなかった。というか終わるわけが無いんですよね。ホッジンズがアニメシリーズの中で、戦争で沢山人を殺したのに自分は生きてていいのかと投げかけるヴァイオレットに対して、『してきたことは消せない』と言ったのを思い出しました。それは彼も同じで、過去は消せないからせめて、今のヴァイオレットに向き合わないときっと彼の戦争は終わらない。1歩も先へは進めない。そんなふうに後からですけど思ったんです。



ギルとはね、逢えましたね。逢えた。


ほんとに、最後の5分くらいのクライマックス中のクライマックス。ギルがやっとヴァイオレットの名前を叫んで追いかけて、港から離れてしまった船からヴァイオレットが飛び降りて……ってもう、これなんて壮大なラブストーリーなの???って。

ギルが走って叫んだとこで鳥肌ぶわわってなりました。そこからはもう、ヴァイオレットを演じる石川由依さんの演技が、なんかもう……言葉になりませんで……。ここの浪川さんもよかった。私の知る浪川さんの演技の中で1番良かったと勝手に思ってる。めちゃくちゃどうでもいことなんですけど、私12歳くらいの時から、好きになるキャラをみんな浪川さんが演じてるって言う某かを抱えてまして笑


もうほんと、また!?!?って。言いたくないけど言っちゃうくらいなんですね。だから聴きすぎたせいもあると思うんだけど、たまにちょっと台詞の抑揚が癖っぽくなるなぁ、鼻にかかってんなぁ…っていうのが少し悲しい時もあって。でもギルの時は、いい感じに肩の力抜けてるのかな?ってなることが多かったので気にせず見れてたんですよね。小手先の技術ではなく、気持ちで演じてくれてた。だから再会シーンの、『ほら…私も泣きそうなんだ』は本当に素晴らしかったです。浪川大輔ここにあり、でした。本当にありがとうございます。これからも私をよろしくお願いします(?)


このノリでキャラと声優さんのお話しちゃうと、ホッジンズの子安さんも、子安さんでよかったなって思った内容でした。私の中では子安さんはガンダム種シリーズがぱっと浮かぶのですが、アニメで声を聞くのは少しお久しぶりでした。彼の『ヴァイオレットちゃん』は本当に毎度愛があったし、何より耳触りが良かった。今回の映画でも、パンフにあったように彼は板挟み的な立ち位置になるけど、それでも親友としてのギルに対する思いや、親心のようなヴァイオレットに対する思いをうまく表現していて、流石だなぁと思いましたね…。映画で雨の中で叫んだあの台詞は、本当に子安さんがやってくれてよかったと心の底から感じました。


ギルの兄、ディートフリートは劇場版でなんかすごく株が上がってましたね。私気づいちゃったんですけど、多分彼のことめちゃくちゃ好きなので、ここで語るのはやめておきます。回を重ねるごとに気持ちが膨らんでるので…や、やば……笑

今のディートフリートなら、ギルとヴァイオレットの幸せをホッジンズと同じくらい強く願ってくれそうですね。陰ながら。

早くもう少し素直になって欲しい!!
なんてね…笑




ヴァイオレット役の石川さんは、他の作品でちゃんと聞いたことがなくて申し訳ないのですが、本当に演技がうまくて。ヴァイオレットの台詞は短い言葉が多いのですが、特に『はい』のこの2文字で微妙な感情をその都度表現していて、ほんとすごいなって感動しました。アニメシリーズ序盤は機械のような無感情の台詞の言い回しで、そこからどんどん色が足されていって感情が少しづつではあるけど豊かになっていきます。その微妙な変化を演じるのがとてもお上手でした。
劇場版ではギルの兄・ディートフリートと、兄弟がよく遊んだという船に足を運ぶシーンがあったのですが、あのラストのカットで『はい』が2回入るんですね。その音の微妙な違いというか、込められた想いがそれぞれ伝わってきて、あぁすごいな~と。

ギルとの再会シーンはもう、言葉にもなりませんよ。あれ、絵も演技も音楽もそれまでの過程も全てを踏まえたうえで、アニメ史に残る名場面なんじゃないですか???

私は正直あれ以上のクライマックスを見たことがないですね。あの数分にこの作品の全てが凝縮されていたのもありますが、質が良すぎて、観てる時にこんなこといちいち考えてないけど、何日経っても頭から離れませんもん。
それくらい素晴らしいものを観せられました。



劇場版では、ヴァイオレットがギルに逢いに行く話とほぼ同時進行で、ユリスという少年からの代筆依頼のお話も進んでいきます。私は3回観て3回とも同じシーンで号泣でした。いや、もうおわかりでしょう。…入院してるユリスがいよいよ亡なってしまうシーン、ですね…あそこ!ほんとに!電話繋いだとこから私は(同じ列のおじさんも)ボロボロボロボロと…笑

その後の家族にそれぞれ宛てた手紙にも涙が止まりませんでした。あれはね、もうこっちが泣くってわかってた内容だからこそ冷静に見れるかなって強く思ってたんだけど全然無理だった。気づくとマスクぐっしょぐしょ。



アニメシリーズも最初は、『みんながそんなに泣くって言うけど、そう言われると涙引っ込んじゃうんだよなぁ』だったのに、ヴァイオレットの成長に涙、依頼主のきもちや言葉に涙。
序盤はヴァイオレットがあまりにも感情を知らないから、そこに対してやっぱり共感や感情移入するのは難しいのだけれど…ドールの仕事を通して他人から優しさや悲しさを学んだ後に、今度は彼女がその優しさを誰かに与えたいと思ったり悲しさを分かち合いたい、拭いたいと思う姿に目頭が熱くなるんですよね。彼女はまだ感情覚えたてで決して押し付けではなく、そうしてあげられたらどんなにいいか、というささやかな願いのようなもので、それを見せられた時に『なんて成長したんだろう』と感動しちゃうんです。

そういえばアニメシリーズの1話を見て率直に感じたのは、『今この時代にこそやることに意味がある作品かも』でした。
私は学生時代に大好きな漫画家さんにファンレターを書いたことがきっかけで、今でも声優さんや舞台俳優さんに時々お手紙を書きます。電話はもちろん、メールやLINEが当たり前の今、手紙を書くというのはなかなか機会が無い人もいるかもしれません。自分で便箋やレターセットを買ってペンを持って、その人に伝えたい心の中の言葉をゆっくりと文字にしていく。若い人はもしかしたら、手紙なんて書いたことないって人もいるかもしれません。
そんな現代に、『手紙を書いて思いを伝える』ことをひとつのテーマにした作品が世に出ることの意味はとても大きいのではないかと思いました。手紙って綺麗な言葉を並べたり、いつもと違う飾った言葉を用いることをイメージする人もいるかもしれません。でもそうではなくてたった一言でもいいから短くても本当に伝えたい思いをその手紙に記し届ける。それだけでいいんだよ、とこの作品は教えてくれるのです。




ここで少し原作とアニメの話。

私は冒頭でも話したようにアニメを先に見ました。小説は下巻と外伝のみですが読んでいて、アニメとは部分的に内容が違うということも最近知りました。
1番驚いたのは、今回の映画が完全にオリジナルの構成、内容だったこと。そもそもギルが生きていることを知っている人間が小説にはちらほら存在するので、その前提から違っていました。アニメでは皆が彼は死んだと思い、思うようにしていましたから。ぶっちゃけ私も映画の告知を見るまで、もう死んでんのかな…って思ってましたし。

小説に思い入れがあり、そっくりそのままアニメ化することを望んでいた方には肩透かしを食らうような…少しがっかりの内容だったのかな…と多少の心配はしましたが、私は個人的には2度楽しめて美味しいといいますか、アニメのクオリティにも満足しているので、こりゃ最高だな!!っていうのが素直な感想でした。
アニメはキャラによっては少し大人びた印象に変えていたり、全体的に落ち着かせていたと思います。精神面で必要な立ち位置に少し動かした、そんな感じでした。ヴァイオレットは逆に少し幼くしたのかな。でも、アニメの中身がそうして改変されていてもその中でうまく構成していた印象です。アニメから入ったから、というのもあるのかもしれませんがおかしなところは個人的にはほぼ皆無でした。時系列順のストーリ構成も初見の人からしたら分かりやすいし、ヴァイオレットの成長と共に歩める感じがして気にはなりませんでした。たしかに小説を読んでいたら、あれが違うこれが違うと色々指摘できたと思うんですけど、でも全体的に作品のクオリティが高く限られた時間と話数でよくここまでまとめたなという印象が強かったです。
結果的にヴァイオレットとギルが幸せになるための物語であることは間違いないので、小説もアニメもそういう気持ちで見ると受け止めやすいのかも知れません。


そしてそこから劇場版の内容へと繋げていくのも、今回素晴らしいなと。


何かしらがどこかで繋がっていて、それは人の縁だったり想いだったり、まさにこの作品のテーマによって劇場版まで紡がれたんだなぁと。本当に見事な構成でした。
あとこれ、最後になりますが。ヴァイオレット・エヴァーガーデンの劇中で使われる言葉が私は大好きでして。全てに無駄がないというか、一つ一つが刺さってくるんですよね。心にスっと入ってくる言葉の多さにはいつも感心してしまいます。



日本のアニメーション映画でここまで素晴らしいものが世に出たのは本当に誇らしいことだと思います。
今まで『おすすめのアニメは?』って聞かれた時、これはマニアックかな〜とか話わかるかな〜とかで、ジブリ以外でポンとすぐおすすめ出来なかったんですけど、この作品は『とりあえず見て!!』とこっちから言ってしまうくらい良かったし、人に伝わる何かがあると思います。

とりあえず見て笑


ちなみに3回目は母と観に行きました。
アニメシリーズを私が見てる隣で何となく聞いてた、くらいの知識で足を運んだ母でしたがやはりユリスのラストと物語のクライマックスは泣いてしまったらしいです。
絵の綺麗さや声優さんの演技の良さにも感動していたようで、特別アニメが好きという訳では無いのですが『観にきてよかった』と言ってくれました。この言葉が何より嬉しかったですね。こちらこそ『一緒に観てくれてありがとう』と伝えました。


私は、別に泣くために行ってるわけじゃないし『今回こそ泣かんぞ!!』と思って2度、3度と行ったのにやっぱり同じとこで泣いてましたね笑





まだ劇場版を観に行けてない方はぜひ映画館で見て欲しいですし、アニメシリーズ気になる方は試しに軽い気持ちで1話目を見て頂きたい。これ読んでから見たらだいたい分かりますよ、大丈夫。きっと後悔もさせません。




長くなりましたがここまで読んでいただきありがとうございました。言葉にするのは下手ですが少しでも想いが伝わったらと思います。あとはもし観に行った方がいたら、どんな風に感じたかいつか教えてください。楽しみにしています。




この時代に『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』という作品が世に出たことの意味を、意義を噛み締めながら、締めくくりたいと思います。

ヒプステから1週間経ちまして

ヒプステから1週間経とうとしてます。


なかなかロスから抜け出せません…ゆっくり感想が書けそうなので書きたいことを書き殴るやつをまたやりたいと思います。

今回はひどくまとまりは無いし、めちゃくちゃ主観だと思うのでその辺はすみません。






前回も書きましたが私は現地4回、ライビュ1回、計5回のヒプステを体験しました。


やはり現地で1度体験してしまうとなかなか…もともと音楽やダンスなど動きのある舞台が好きですし、ミュージカルみたいなタイプにも抵抗がない。ヒプステはそんな私にぴったりな舞台だったんだなと今改めて感じてます。しかも私は原作が好きで、キャラクター達の再現率も生で見たらかなり高かった。脚長いし顔はいいし脚が長い。だって水江さんの演じた入間なんて、原作であんなに脚長くて細くて女優みたいなのにまんまだったんですよ??信じられます??

はー、信じて欲しい。


私は、(今更ですが)ハマが好きなんですけどとにかくシルエットがすでにハマの3人だった。初回、2階席正面から見て文字通り息を呑んでしまった。まだ始まって5分とかなのに立ち上がって拍手しそうになってしまった。それくらい衝撃でした。



前回まで、まだ公演中だったしストーリーとか細かい部分は書かなかったんですが。


まぁ私は頭も弱いしそんなに細かい解釈や考察できないタイプなのであれなんですけど…少し触れてみようかな。



今回のお話は、というかヒプは正直原作でのストーリーがいつも1番心配されていて(私だけかもだけど)。
時系列がガタガタ気味というか、え?そんな短い期間で?そんなに沢山のことが起きてたの?駆け足過ぎない?大丈夫??ってなってしまってるようなんですよね。
あまりに駆け足だとせっかくの盛り込んだ設定も薄っぺらくなってしまうし…そうすると説得力もなくなってこちらも変に冷静になってしまう…ヒプだけに限ったことでは無いけれど…楽曲がかなり良かったり声優さんがしっかりキャラへの解釈を詰めて演じてくれてたり、作品としての人気が高まる中でそのストーリーのガバガバ具合だけはあまりにも惜しくて、今回の舞台化も実際観るまではそれが1番の不安要素でした。


結果的にいえば、ステでの今回のストーリーは『成功』だったと思います。


世界観の説明はナレーションで具体的に入り、まず初見が置いてかれる可能性を回避。原作が押し通しているキャラの関係性や設定はそのまま押し通していて、でもステオリジナルの新たな設定はあえて盛り込まない。シンプルに、かなり守りに入ってるようにも見えるけど、ステ第1弾としてはここを守ってくれたのが本当に良かった。まじで安心した。
ステを見ないと原作についていけなくなる、というような設定がプラスされなかったことが大きかったんですよね。これ、原作ファンはかなり気にしてたようなので。

じゃあアカバネは?オリジナルでしょ?なんですけど。アカバネの扱い方が個人的にはかなり上手かったと思っていて。


一郎や左馬刻、理鶯(ここは間接的にだけど)と何かと因縁のある人物を集めていて、お前まじで誰だったんだよ!とはまずならない。
例えばこくりくんは、銃兎が心底嫌う『ヤクの売人』で、左馬刻の怒りに触れる『女を食い物に』してたわけだし、過去、左馬刻にハマを追い出されてもおかしな話ではない。蛇穴も、理鶯の所属していた軍の元研究員。ヒプノシスマイクに関わる研究…ここで原作知ってる人は未だ謎に包まれている『ヒプノシスキャンセラー』が頭をよぎるなど、『あ~なるほどね〜』みたいな感覚にふわっとだがさせてくれる。

そしてカズ。カズは一郎の幼馴染みという設定。
一郎ってほんと弟たちに愛情注いでる描写がとにかく多いから、10代になりたての頃の彼の友人関係ってあまり目にすることがなかった。原作ファンも初見の人も多分同じ気持ちでカズを見れる。あの見た目であんな優しい話し方されたら、この子はほんとにアカバネのリーダーで一郎とのちに対峙するのか??なんて余計な心配をしてしまう。実際私は一郎と同じように「カズがそんなことするはずがねぇ!!」状態に途中までなってたし見事にいい意味で裏切られた。カズが一郎を裏切る形になることは、展開的に早めに分かっちゃいたしベタといえばベタだけど、もしかしたら…!と儚い希望を無慈悲にも持たせてくれたのが岸本さんの素晴らしい演技の賜物だった。そして彼は本当に今回のストーリーの肝となったのだった。
だからアカバネVSイケブクロのバトルで闇堕ち覚醒したカズは強かったし、めちゃくちゃかっこよかった。顔が違ったよね。父親のことに触れた時の孤独や、ひたすらに力を欲する彼のリリックはかなり痺れたしあそこからの流れがマジで面白い。とにかくテンポがいい。カズのあの泥臭い感じがまさにヒプマイって感じで個人的には好感がもてたしすごく好きだった。
カズの父親が亡くなった理由のとこで『ヤクザや愚連隊』がワードとして出てきたのもなるほどだった。間接的にだろうけど、ハマのあの男を連想させる。カズが、力を欲するが故に弱者を痛めつけたりそういった卑怯な行動に出るようになったのは元を辿れば父親の復讐のため。そんなカズを一郎が負かして目を覚まさせることで、新たに左馬刻をぶっ倒すための理由がまた1つ、彼の中で確実に増えるのだ。私はこのことに初回で気づけてなくて、あっそうか、なるほど!と2回目くらいで1人納得した笑


しかもそれで次はシブヤVSシンジュクにバトンタッチするんだもんね…今回の話ではブクロVSハマはまだ本格的にやってないしシブジュクやった後に、そうさねぇ…秋冬頃にブクハマがまたくると見てるよね。

アカバネが、ただのおまけ的な扱いにならなかったことが今回のステの勝因の1つと言っても過言ではない。オリジナルキャラって難しいですよね。結局なんのために出てきたの…?って思われたらほんと終わりだと思う…だから今回、あの3人はキャラとしても立ってたし歌やダンスの技術もかなり高かった。ぶっちゃけ3人でのバランスで言ったらかなり良かったと思う。今後また彼らの姿が見たいな、と当たり前のように思うほどに。




さて、長々とストーリーやアカバネについて語ってきましたが私はハマについて語りたい。


いやぁ~ほんっとハマですよ。ハマ。

あれから『Triggar Off』死ぬほど聴いてるし、歌詞が好きすぎる。原作では落ち着いた曲が多いのでそろそろぶち上がる系が欲しいな〜と思うハマなんですが、ステの曲はそこまでぶち上がってなかったけどかなりテンションは上がる1曲。というか顕嵐さま(左馬)の吐息から始まるのが狡い。あんなのみんな腰砕けになるに決まってる。それであの原作の左馬に寄せた、地を這うようなお声。顕嵐さまの歌声は『まるで骨が軋むような音』だなぁと思ったのをよく覚えている。なにかぴったりな表現はないかなぁと頭をひねってたらぽんと出てきた。左馬のスピーカーは髑髏と棺だし、我ながらなかなか好きな表現だよ。


ハマのチーム曲の歌詞はとにかく強そう。私は、もう何人か沈めてきたんでしょ?ってくらい物理強めのハマが大好きなので今回の言葉のチョイスは解釈一致どころの話ではなく、ひっくり返るかと思うほどの大歓喜だった。


水江さんの入間もかーなーり、顔が好みである。顔のことばかり言うのもあれだけど、でも、仕方なく無い?入間銃兎のあの綺麗でたまに歪むお顔を、あんなに完璧な状態で舞台上で咲かせる方がいるなんて。しかも脚が長い。もうこれほんとびっくりしたよね。脚ってどこまであるものなの??と何度も確認したくなる長さ。それが縦横無尽に動くんだよ?第2幕のメインテーマの時のダンス、何度観ても飽きがこない。あんな長い脚、煽りで映したら全人類が泣くしかないし誰もかなわないよ。はい、優勝です。

ハイトーンめの歌声も好きだったし、普段の優しい声も銃兎みがあってかなりツボでした。他の役者さんが歌唱の際は低めにとってることが多かったからか、水江さんの銃兎の声は鋭利な刃物のように響いてとても耳に残った。私が初めて聴いた時はコーラスと同様に高めの声で歌ってたけど、週明けに観に行ったらご自身の声は低めの声に変わっていてかなり歌詞が聞き取りやすくなってた。左馬刻にキレる時も低めの音から食らいつくようにキレてたので、普段は優等生タイプの入間っぽさが増してて良かったんだな〜これがっ。これも最初は割と高めの声で張ってたから少し聞き取りづらくて、公演の後半の方が台詞が聞き取りやすくなってたからあれはいい判断だったなぁとしみじみ思う。

入間の歌詞は『ケツ捲るかい?』や『チビる前に』とか『ママの元に帰りなさい』とか、その綺麗なお口でそんなこと言っちゃうの??ってのが多いからそれもいいんだよね。今回の水江さんの銃兎は本当に見た目も中身も再現率が高くてあっぱれでした。


理鶯はただそのままに純粋なる理鶯だったんだよな…やっぱあのくらいの体格の良さだとさまになりますね。OPでスクリーンパネル割れて出てきた時、本人じゃん…としか言えなかったな。しかも元々お好きだというHIPHOP、ラップがお上手なこと!
顕嵐さまと理鶯を演じた勇気さんはラップ経験者だったらしく、それが伝わってくる見事な歌唱でした。カウントをミスって~とかお話もあったけど自由が効きそうな経験者組。まだまだラップ沢山聴かせてほしいなぁと思いましたね。
私は特に物語中盤の、軍の施設でのシーンが大好きで、蛇穴について理鶯がラップで歌い始めて最後はハマの3人が踊りながら歌唱するやつですね。あの理鶯のラップがキレキレでめっちゃかっこいい。途中咳払いが入るのもいいし、蛇穴の表現するダンスもかっこいい。私、蛇穴が好きですし。
顕嵐さまの『くだらねぇ、くだらねぇ、くだらねぇ!』からの流れ。ここからハマ3人での歌唱になるんだけど、ほんとこれ、これね。あのダンスさぁ〜~顕嵐さまは表情ひとつ変えずに前を見据えてて、銃兎と理鶯は向かい合ってってほんと理想の形。水江さんのダンスは手足が細く長いせいか特に大きく見えてかなり好き。3人の後ろ姿なんてブロマイドにしてくれたら3枚は買うよ?ってくらいかっこいい。あそこの転換きっかけが、顕嵐さまが拳でスクリーンを割るという物理強めな表現なのもとてもいい。『何があろうとぶっ潰しゃいいんだろ?』って台詞がなくてもその拳で突きつけられてるみたいで痺れてしまった。いやぁ、ステのハマ、最高なんだなぁ。



なんかもう同じことばっか言ってる気がするのでブクロ行きます。



ブクロは今回ストーリーを進めていくための重要な駒だったのでハマとは対称的にアドリブもほぼなしで動いてましたよね。
キャッチーなチーム曲、3人の動きもまさに山田3兄弟!って感じでめちゃくちゃ可愛かった。
一郎の兄貴感が半端なくてびっくりしたよね。え、圧がすごい。圧が。みたいな笑
かなり男らしい一郎だったな。そしてあの調子でオタクな面も今度は見せて欲しいんだなぁ。絶対に可愛い、知ってる。

二郎の二郎感も半端なくて、OPでのワキワキダンスは何度観てもにこにこしちゃう。お年玉沢山あげたくなる可愛さ。生意気なお口も原作そのままでとくに歌詞に表れてましたね。銃兎と似たものを感じる。松田くん、初舞台だなんて嘘だろ?ってくらい活き活きしてた。写真で見るよりめちゃくちゃ二郎の顔だったし声もぴったり。声優さんの声に寄せた、というよりも二郎の話し方やトーンの選び方が素晴らしくて『松田くんの二郎』として違和感なくすっと入ってきた感じ。そうすると不思議と原作の二郎とのシンクロ率も上がってくるんだよね。とにかく脚が細くてびっくりした。二次元の二郎の脚がマジでそこにあった。


三郎はメロディにのせたラップが多くてそれが原作とも上手く噛み合ってきてるなって感じたなぁ。三郎も声が原作にすごく似てるわけではなかったんだけど、少し舌っ足らずになる歌い方やどこか頭良さそうな言葉の使い方は原作の三郎と同じでそこに親和性を感じたり。秋嶋くんも舞台やラップに触れるのが初というのを聴いて、ブクロすご!!ってなったね。高野さんが優しく接しつつ2人をぐいぐい引っ張って行ったのかな〜って。


カズ率いるアカバネとのバトル、一郎のマイクが壊れたことから二郎、三郎の最大の見せ場に繋がる。あそこの2人でのタッグを組んだラップは熱かったなぁ。アカバネに対するリリックも挑発的なものが多くて、かつ韻をちゃんと踏んでいて本気度が高い。今更だけど、曲の際にリリックが字幕で出るのはほんとに有難かった。やはり初見だと聴き取れないとこあるし…まぁ目が足りなくてスクリーン自体をしっかりと見れてないことが多いんだけど…あれだけ作り込まれた映像、目に焼き付けとかなきゃ損だァって叫んだね。心の中で。
でもそれに負けないくらいアカバネのチーム力もあって、特にここからはカズが凄い。演技も歌の技術もやばくない?と語彙力無くす、あぁいうのを惹き込まれるって言うんだろうね。あれだけ感情が乗ってて声のメリハリも激しくつけてるのに何言ってるかちゃんと伝わってきたし、身体への力の入り方とか目線とか全部が『あの場で孤独に戦っているカズ』だった。アカバネの2人も思わず後ずさるくらいの覇気で、観客が息を呑むのも無理はないって感じ。一郎も後ろで『こいつは凄ぇわ…』ってボロボロになりながら受け止めるしかできないって感じだった。多分あの場に居合わせた全員がカズに心を奪われてたね。素晴らしい。


前も書いたんですけどほんと、ヒプマイに泣かされそうになるなんて微塵も思ってなかったから悔しくて悔しくて笑

やっぱり初見で見た時が1番胸にグッときたな。その時はまだ公演も折り返し直前くらいだったからまだまだテコ入れ入ったタイミングかもしれないけど、とにかく、カズの言葉に込められた切なさや必死さに胸が締めつけられたし、それに対しての一郎がほんとびっっっくりするくらい『男前』だった。一郎のリリック、言葉は弾丸そのものだったな…あんな重たいの喰らったらそりゃ誰も立てないよ…

『強いってのはそういうことじゃねぇ』
『何がお前を変えちまったんだ?』

私ほんと全部書き連ねたいけど、ここら辺で泣きそうになってた気がする。え、ヒプに泣かされるの…?まじかぁ…って思いながら、目は離せないし胸は熱くなるし耳からは一郎の声が容赦ないしでとても忙しかった。あの一郎を演じきった高野さんは本当に凄いなぁと、こんな月並みな言葉しか出てこなくて申し訳ないけど何度も思ってしまう。何度観ても、すごい、やっぱりスゴい、と同じことしか思えなくて。あのシーンを楽しみに通ったと言っても過言ではない。確かに感情が先走りすぎて何言ってるか少し分かりづらかった日もあったけど、いやでもね、あれは伝わるよ。お芝居でカズと一郎があそこまで積み上げたものがいっきに爆発する瞬間だった。言葉ってこんなに力強いんだなって初めて思ったかもしれない。派手な音がなくても、印象的なメロディでなくてもこんなにも心に響くものが、言葉があるのか、と。


カズへ『強さ』について問う時に、二郎と三郎それぞれに向かい合ったのも一郎らしかった。兄として、弟たちを導き正しさを教えようとする姿がとてもいち兄で、その後くるりと背中を見せてカズに向き直るわけで。


『兄貴のでっかい背中、見ときやがれ』


って絶対心の中では言ってるし笑ってるんだよ彼は。


一郎を演じてくれたのが高野さんで本当に良かった。今回の舞台で初めて彼を知ったけれど、初回で観終えてからずっと最後までそう思うことが出来ました。演じてくれて本当にありがとう。


そしてそれはヨコハマもアカバネも、ダンサーさんも、皆さんに言えること。


次回、シブヤとシンジュクとメンバーは変わってきますが必ず1回は観に行きたい。


私の楽しみがまた一つ増えてしまって、お財布は軽くなるけど心はひたすら温かい。

そんなヒプステの日々でした。


物販もリングライトだけとか言って、人生初の役者さんのブロマイド買っちゃったし結局ラップも買ったよね笑

めちゃくちゃ楽しかったな。


そうそう、公演期間中に沢山の方とお会いすることが出来ました。主にTwitterで前々からフォローしてくれてた方や、初見の際のここの記事を読んでフォローしてくれた方。
そして偶然にもお会いしてしまった、それはびっくりするような方も笑


私は、役者さんのファンとして観に行く舞台ってあまり経験したことがなくて、ほぼ原作ファンで観に行ったりなんとなく面白そうだな〜で足を運ぶことが多いタイプです。なので、今回、沢山の方とお話することが出来て色んな目線でお話しを聞かせてもらえたり、愛し方や楽しみ方は人それぞれなのだなぁと改めて認識しました。もちろん、原作ファンだけど舞台は観なくていいやって方も同様で、それはそれ。その人なりの楽しみ方、ペースがありますよね。

役者さんのファンで来た、という方によく聞かれたのが『〇〇役、大丈夫でしたか?』ということ。

もうね、安心してくださいよ、何の心配もない。むしろ演じてくださりありがとうございます!!と私が代表して頭を下げたくなるくらいでしたから。それくらい皆さん本気で、リスペクトを抱えながら板の上に立ってくれていました。


界隈?とかそういう言葉私は普段あんま使わないというか、そういう垣根みたいなものって未だによく分からないんですけど…正直関係ないと思いますよっていう。素敵なものは、素敵なんです。それがどんな過程であれ、完成形であれ。いいなって思ったら素直にそれでえぇやんって、私単純なんで思っちゃうんですよねぇ。表現ってそういうもんだよなぁと、昔から思ってたり。


主観たっぷりで書いちゃいましたが、長くなりました。強制終了しましょ笑


またふとした時に思い出したように書きますね。そうだなぁ、円盤でたら、また書くと思う。

シブヤとシンジュクのキービジュ出たら、とかね。

ではでは。



ヒプステの始まりと今

どうもどうも、碧です。

まず皆さんにご報告です。
結論から言うと、ヒプステなんですが現地3回ですとか言ったくせに4回行きました。え?えぇ、そう、4回です。もうね、いつチケを取ったのかすらよく覚えてないの。
現地4回、千秋楽はブクロでライビュしてきました。

ただいま千秋楽終わりの深夜2時。

興奮して寝付けないので、全体的なことを割と真面目(当社比)に少し書きます。あくまで個人的な感情、主観入ってますし、そんなことないよ!!って意見も沢山あると思うので、その辺はご了承ください。








私はもともと声優さんが歌う原作(便宜上、原作と表記します)ヒプマイファンで、失礼ながら今回の役者様方の詳細は何も知らず、それどころか名前も初めてという方がほとんどでした。
そんな中、スタートダッシュとしてはかなりつらいものがあったのが私にとってのヒプステでした。

発表当初、私はTwitterでの反応くらいしか見ていなかったのですが、なんかもう阿鼻叫喚って感じでしたよね。
公式からの発表が突然だったので私も電車の中で、これはなに?と手が止まったのをよく覚えています。チケ代が高かったこともあり、特に原作のヒプマイファンの空気としては歓迎ムードからは程遠かった。それどころか公式や役者さんへ心無い、身勝手なリプを送る人まで現れて、いやいやそれは違うだろ…何してんのよ…、と頭抱えたのを今でも思い出します。ほんとにあれは同じヒプファンとして恥ずかしかった。(というかあれはもはやファンでは無い、ただのクレーマーと思ってます。ほんとすみませんでした)

オフで繋がりがある原作ファンから『舞台についてどう思う?』とか珍しくLINEきたり、『チケット高すぎて無理(笑)』と、そりゃそうだよな、とか思いつつもまぁ若干馬鹿にした感じで言われたのをよく覚えてます。
当時の私は、前者に対しては『私はハイステの感動を知ってるのでどんな舞台になるかまだわからない。新規ファンの開拓のためだけかもしれないし、めちゃくちゃいいものが出来るのかもしれない。でも、多分お金ないから観には行けません…原作ファンが戸惑わない発表の仕方(もう少し段階を踏むとか)してくれたら良かったかもですね』と我ながらめちゃくちゃずるい言い方をしてました笑
後者に対してはスルー。結構身近なとこで言われたんだけど、スルー。



そんなことを思い出しながらさっきまで千秋楽を見ていてね。
カテコをひとまず終えて、その後、現地の映像はそのままに次々と巻き起こったのは会場のお客様方によるスタンディングオベーション


いやもうね、普通に泣いてしまったんですよね。


私は、今回の役者さんたちはほんとに何も情報がないままに観に行き、そしてそのままずぶずぶとハマってしまい4回観に行きました。そんなに!?って言われましたし、それってどうして?ってもし聞かれたらこう答えます。

『役者さんたちが本当に素晴らしかった』
『私の好きなヒプマイにまた新たな命を吹き込んでくれたから』

と。

ほんとにね、これ、これなんですよ。
あのスタンディングオベーションが、今回のヒプステの答えだったと私は思っています。そしてその答えにたどり着くまでに巻き起こったことを決して忘れてはいけないんだ、とも思いました。
『終わりよければ全てよし』という言葉がありますが、今回は個人的にはそれを言うのを躊躇うほどに始まりが酷すぎた。だってさっきのシブヤとシンジュクのキャスト発表の時の歓声、あれと同じものをブクロやハマに私たちは届けることが出来なかったのだから。

しみじみ思ったんですよね。

あぁ、この声をもっと早く、ブクロやハマやアカバネの皆さんにもお届けできていたらよかったなって。
そしてあのキャスト発表の時の割れんばかりの歓声は、新キャストのファンの驚きと期待の声であると共に、今回のヒプステで演じてくれた役者さんたちが巻き起こしてくれたものなんだ、って。



高野さんが本当にまっすぐひたむきに一郎と向き合ってくれていました。
千秋楽前夜の特番でお話されてたけど、「木村昴さんの肺活量の凄さが…」とか、「ブレスの練習から沢山しました」というのは役者として当然のことかもしれないけどそれでも本当に嬉しかった。声が違っていても、一郎ってこういう男だよな!っていうのがビシビシ伝わってきて、そのブレなさに私は最初から好感が持てました。何度も言うけど声は原作とは結構違うんです。でも一郎なの。衣装が同じだからとか髪型が一緒だから、でなくて、『弟たちの憧れの存在である一郎』を常に私たちにも魅せてくれていた。
原作はかなり人気のある言ってしまえば旬の作品だし、ハードルもかなり高かったと思う。おまけに色々言われて…でも彼はそのハードルをしっかりと越えてみせた。高野さんの人気の理由がちょっとだけわかった気がしたんですよね。


『2次元でも3次元(でも2.5次元)でも俺(たち)は俺(たち)だから』

最後に肉声で放ってくれたこれは原作の一郎のリリック。そして本来これに続くのは、

『決めつける奴らは一昨日こい!』

もうね、これ(前半部分)を言ってくれた彼、ほんとにすごいと思う。

だってまさにそういうことでしたよね。こうして文字にして書いたらひと目でわかる、説明要らなくない???って。
これが高野洸という役者であり、まさに一郎なんだな~とじっくり噛み締めました。


俺が一郎、満を持して登場。
満場一致、君が一郎。


私昨日からこれしか出てこないくらい、感動してますよ。韻踏めてないけど笑


気づいたら寝落ちてて、朝です。
千秋楽の皆の姿と声が脳内で反芻されてます。これがヒプノシスマイクか…笑

理性を失った感想は今夜辺りに。ひたすら脚が長い!とか顔がいい!すき!しか言ってないかもしれませんが。


高野さんや顕嵐さんたちがここまで築き上げ繋いでくれたものを、私たちは、今度はしっかりと1度受け止めそれぞれの強さで噛み締めながら楽しみに待つことが出来るといいな。そんなふうに心から思っています。

今回はここまで。
あの時の気持ちと今の気持ちの、ただの覚書きでした。

ヒプマイの舞台を観に行ったハマの女の感想

どうもどうも、碧です。


11月22日㈮にいよいよ行ってまいりました『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle- Rule The Stage track1 』

これはあまりにデカすぎる感情を抱えたためにどこかに書いとかないと気が触れてしまう…と危険を感じ書き始めようとしている感想文です。
細かなストーリー展開は書きませんが、ざっくり、今回のことと今後も含めネタバレありの内容になると思いますのでそこら辺は個人の判断でお願いします。
これは自分のためでもあり、また、まだギリギリまで迷ってる人に対してもなにかお伝え出来ればなぁという次第であります。
(結果的にくそ長い感想文になりました)


ちなみにサクッと私とヒプマイについてお話しときますと、私は2年前の11月半ば頃に初めて動画でオールスターズを聴きました。12人のうち知ってる声優さんは5人。8年ほど前から好きだった浅沼さんを除けばあとの方々は1つ2つ作品を知っているかな、くらいでした。でもそこで初っ端に昴さんのあまりの歌の上手さにどぼん。その後、大好きな浅沼さんの声を久しぶりに聴いて驚きとともにどぼん。と、同時にヨコハマの各々の職業に惹かれてほんのりハマ推しになりました。

さらに本格的に落ちたのはバトルシーズンの最終決戦ですね。ここから完全にハマの女になり昨日も全身青で参戦。今日に至るまでめくるめくヒプマイの日々を送っています。





さて、そんな中で発表されたのがヒプマイの『舞台化』。


あまりに急、そんな印象だったので正直驚きました。もっと段階を踏んでくれ。

もともと私は高校演劇からそっちの道へ1度は進んだのでミュージカルやお芝居を沢山見てきましたし、舞台やラジオのお仕事をほんのちょっとさせてもらったこともあり、興味は未だにありとても好きな分野です。
ヒプマイの舞台がカテゴライズされるであろう2.5次元については、ハイキューのみ生で見たことがあります。とくに目当ての役者さんがいるわけでもなく作品が好きで見に行ってみた、くらいでした。
そんな私にアクロバティックな動きや音楽に乗せたダンスでバレーボールを見事に表現したハイステはかなり衝撃的で、そしてあまりに素敵すぎて当時何度も劇場に足を運びました。



ということで、ここから先はそんな舞台大好きハマ女が少々不安を抱えながらも見に行ったヒプステについてです。
ちなみに今回出てる役者さんで知ってるのは一郎役の高野さんのお名前のみという具合でした。そんな私が果たして舞台を受け入れられるのか?楽しめるのか?



結果から言うと、

も~〜とにかくよかった!!!!

ありがとう、また来ます、来させてください!
私はステラボールに住みたい。
いくら払えばいいですか??


はっきり言って、発表時、あれだけ騒がれたのはなんだったんだ…?と疑問に思うくらいの出来の良さでした。


公演時間は約2時間半。
第1幕はお芝居、ラップ、ダンスを中心にストーリーが進み、第2幕は1幕で歌った曲のライブ&ダンサーさんたちのパフォーマンスタイムでした。


そう、ここ重要。
実質ヒプマイのライブなんです。


…感情が洪水を起こしそうなので、とりあえず幕ごとにお話しますね。



【第1幕について】

2.5において、どれだけOPで観客の心を掴めるかってかなり重要だと思ってます。俳優さんの見た目、声のトーン、動き方…本家とのシンクロ率はどのくらいかな…とここからドキドキしますよね。

安心してください。秒で、『あ、こりゃ大丈夫だわ』でした笑

これに関しては先に行っておきますが、1ミリでも声が違うのは無理…という方はやはりオススメは出来ません。役者さんたちは本家にかなり、それはもうびっくりするくらいかなり寄せてくれてます。でもお芝居になると歌より落ち着いた話し方になり、声は本家と多少違ってきます。
各々、性格に合わせた口調や声のトーンはかなり素晴らしいチョイスでした。でも声帯が違うので…やはりそこが引っかかる方は見に行く前に1度考えた方がいいと思います。
逆に言えばそこがクリア出来るという方でしたら、ヒプステはオススメです。オススメしかありません。

で、OPに戻ります。
OPは情報解禁された動画の曲、一部アンセムを使用したオリジナル曲です。
ブクロ→ハマ→アカバネの順でキャラの映像とともに次々登場。各々ソロパートをラップで歌いこなして次へと繋いでいきます。


ブクロとハマ中心にどんな感じだったかと言うと、

先陣切るのはもちろん一郎。
とにかく強そう。とくに意思が強そうなオラオラ一郎って印象でした。少し高めの声もしっかり聴かせてくれて軽快で、何よりちゃんとラップをしてくれるのがヒプマイファンとしては嬉しいしかなり良かったです。初めて聴く曲なので頭追いつかないかな?と思いきや、舞台両サイドにあるスクリーンに字幕も出るので韻踏んでるか~?とか目で見ても楽しめます。見てる暇ないけど。

お次は二郎。
少しざらついた声のラップで登場、声の感じから一郎の弟みがありました。でもやっぱり彼特有のリズミカルな速さがあって、やんちゃで小生意気な印象は本家二郎そのもの。めちゃくちゃ動くのも可愛い。

最後は三郎。
も〜〜〜声がね!三郎です!!安心して!!
それだけでもありがたいのに見た目も可愛い弟、あの三郎。アンセムの『10万年前から~』のあれです。あれをひたすら聴かせてくれます。

ここまでブクロの3人がかなりの安心感を与えてくれて、そこで聴き慣れた、というか死ぬほど聴いたアンセムパートが入ってくるのでそりゃもうノるしかない。早い人はここで既に楽しいです。私がそうでした。最高。


次は(私が)お待ちかね、ハマです。
今では全身ハマゾネスな私はブクロでニコニコしてたのに、次はハマとわかるや泣きそうになってかなり情緒不安定でした()

銃兎から感想いきます。
演じていた水江さん、お顔がかなり銃兎みがあって楽しみにしてたんですが……顔?いや、もう全身が入間銃兎。はい、優勝!
すっとした立ち姿に長い脚、細い首、スーツえっっろ!!!しか思えなくて…それで踊るんですよ!?
声は少し高めですがぴょんぴょん跳ねる感じがうさちゃんでした。聴きづらさとかもなくて、すごく…よかった…

お次は理鶯。
あのねぇ、三郎といい銃兎といい、理鶯もすごい。すっごい理鶯(語彙力)
大きな体躯に響く重低音は理鶯そのもので、ハンドサイン(4thライブの時と同様のもの)を掲げて動かす時1番振りが大きいの。シノギを歌った時の神尾さん状態。あれほんと嬉しかった。
歌声がめちゃくちゃ似てます。歌もうまい!

そして、左馬刻。
私は左馬刻様が1番好きなので少し不安はありました。あぁ~そんな自分をビンタしたい。バカバカ。めちゃくちゃ最高。左馬刻様は左馬刻様。
大丈夫なのか!?って思うほどのガラガラ声に、地を這うようなラップを繰り出す本家左馬刻を感じてしまい涙。理鶯ほど低い声ではないのに何故かその場が締まる説得力、そして怖さが健在。
脚が好きで脚ばっか見ててごめん。



9月のライブで私たちが掲げたハンドサインを舞台でも採用しているのでかなりアガります。


ここら辺で気づき始める。これ実質ライブじゃね?と。


舞台オリジナルディビジョンのアカバネディビジョン。
私は正直彼らのことを、ストーリーに味を加える程度のおまけ的扱いなのかなぁ…と思ってた時期もありました…。いやいやいや!

アカバネ、めちゃくちゃレベル高いです。
ダンス、歌、表情一つ一つが、オリジナルディビジョン?え、本家に来ないの?ってなるくらいの完成度。たしかに初めて見るキャラだし謎だらけ、とっつきにくいかも…だけどそれを吹き飛ばす圧倒的スキルで魅せてくれます。めちゃくちゃ気になってしまう。ブクロ、ハマに引けを取らない、というのがかなり重要ですよね。全っっ然大丈夫でした。
休憩中に緑のリングライト買いに走るか??と過ぎるほどに。



ここまでOPです。
OPだけでこれだけの情報量。いやもう見れる方にはこの時点で見てもらいたい。リセールチケに挑戦、オススメできます。

開始10分ほどですでにヒプのライブなんです。
しかも2次元スタイルの役者さんが声や歌い方も寄せてくれている。今、旬のコンテンツ、本家へのリスペクトをかなり感じます。
私はここで円盤購入を心に決めました。



ここから先はお芝居も交えた本編です。
内容の詳しいとこは書きませんが…

ストーリーどうなってんの??とそこが心配ですよね。わかります。私もそこ不安すぎた。
ただ今回は!今回のストーリーは!大丈夫です!


破綻とか、前もってこれを知らなきゃいけないとか、本家に響く重要な内容が舞台だけで展開されていく…というのは今のところありませんでした。
ちなみに私はコミカライズに関してはTwitterのTLに流れてくるフォロワーの感想、くらいでしか触れてません。それでも問題ありませんでした。

ドラマCDで理鶯が含みを持たせていた内容、とかはそのまま舞台でも使われてましたがやはりそれ以上はないのでそこも大丈夫かと思います。

今回は、ディビジョンバトルの序盤を描いていてメインバトルはブクロVSアカバネです。
まだVSハマには至っていません。個人的に読んだネタバレで『メインはブクロ。でもハマもめちゃくちゃ出る』と知っていたのですが、まさにその通りでした。
ストーリーのメインはブクロの山田三兄弟を主軸に進みますが、ブクロが表ならハマは裏、と言った感じで互いの絡みは少ないですが時間軸的には同時進行していきます。


本編まずはブクロ3人での曲、そしてハマへと続きます。さっきまで全員OPでかなりアガったのにまた聴かせてくれるの!?とすでに感動。
と~にかく、曲がいい!!舞台オリジナル?いやもうこれ本家で使いませんか??声優さんでも聴いてみたいなぁ、と思う程に楽曲の世界観に違和感なし。チームカラーがこれでもかってくらい出てました。耳から摂取するタイプが好きな人は大歓喜だと思います。
個人的には、6人の中でも左馬刻様のお声がまぁ響く響く。浅沼さんも演じてくれてますがドスがきいてる歌い方が凄い。200点あげちゃう。
ブクロのチーム曲もIWGPみがあって、あ〜これこれ!これがブクロだよね!って手を叩きたくなる音でした。多分無意識に軽く叩いてた。


お芝居、ラップでの歌唱、シーンによっては台詞を音に乗せて展開していくなどがありこの辺はミュージカルに近いです。
例えばブクロだと、曲は違いますが、二郎が朝目覚めてそこから音楽スタート!なんかは『おはブクロぽいな〜』とか思いました。二郎との三郎のデュエットがあったり銃兎と理鶯も少しあったり。ソロもありますしメインがブクロ、と言いつつもかなり平等に振られていてどのキャラが好きな方でも楽しめますよ!

お芝居に関しては、一郎が喋り方に少し癖があるかな~くらいであとは気になりませんでした。多分その癖もキャラに寄せるためわざとやってるのかなっていう感じでしたが。弟たちにとって威厳のある兄をしっかり演じきってくれて、気になったのは序盤のみ。これは私が高野さんの演技を初めて見たからというのもあると思います。
台詞の掛け合いなどは普通に楽しく見れてテンポも良かったです。むしろ最初からこのクオリティは凄いな〜くらい。アカバネ含め、キャラへの理解が良い言葉のキャッチボールを生んでた気がします。

理鶯のゲテモノ料理に関しては劇中何度か登場するのですが、2人の反応は日替わりっぽくてめちゃくちゃ可愛いです。そこまでかっこいい姿しか見せてないので、ホントびっくりするくらい可愛い。でも、このキャラならこのくらいの反応だよね、って範囲で演じてくれるのでアドリブでキャラ崩壊してしまう心配もなくて素晴らしかったです。銃兎が、『理鶯…?』と呼ぶ声が優しすぎて『え…ママなん…???』とかいちいち思いましたし、左馬刻がめちゃくちゃハマの末っ子でした。Love。

ちなみに私の参戦した11月22日は、

左『俺は今日横腹が痛てぇんだよ…!』
銃『伸ばせ!伸ばせば治る!』

でした。必死に服の裾ごと伸ばそうとする銃兎可愛かった…それまでいつも通りバチバチの口喧嘩してるのに、理鶯が機嫌よく料理の話をすると2人がガラッと変わるのが生で拝めて昇天しました。ドラマCDで散々聴いたのにな。



ストーリーに戻りまして。
私すごい自分でもびっくりしちゃったんですが、ブクロVSアカバネ、ラスト、感動してしまって。いやごめんなさい、正直ヒプに泣かされそうになるなんて思ってなくて…アカバネは寄せ集めチーム、なんですがアカバネのリーダーの思いがラップで吐き出されるあたりからすごく胸が熱くなっていることに気づいてしまい。
それに対して山田一郎が返していくのですが、いやこれ、これこそが言葉は弾丸。言葉の力なのだな、と。

ここほんと熱いし山場なので詳しくは言いませんが、ただ楽しい音楽を聴いてキャラが可愛いとかかっこいい、だけで終わらなかったことが本当に素晴らしかった。ちゃんとそこまで、お芝居で積み上げて来たものがあったから、吐き出された言葉に重みがあって伝わってきたんだと思います。


冒頭から『実質ライブです』と書き連ねてきましたが、ここに来て『芝居もいいんじゃない?面白いじゃん!』と感じるわけです。見る人によってはまだまだ全然…と感じる方ももちろんいると思います。でも、舞台に立ってる彼らは『本気』で『リスペクト』してました。
私たちが大好きなヒプノシスマイクを。

私が大好きでさんざん見に行ったハイステも、最初は完璧でなく拙い部分がたくさんありました。でもそこから確実に成長していった。
2.5ってキャリアの浅い若い方もいたり、演技より歌やダンスに特化してる方がいたりと色々で、はっきり言って挑戦の連続ですよね。そして若手で構成される分伸び代もすごいと思うんですよね。ヒプステもそういう舞台になるんじゃないかな、と私は確信しました。もう不安なんてなくて安心と期待しかありません。



ここでチケ代のお話。
発表時も話題になったのは今回の高めの値段設定だと思います。正直私も高くて手が出せないなと思い舞台にはそこまで興味がありませんでした。いくらグッズがついてるからってさすがに…とそこに関してはあまり賛同できなかったのは事実です。
しかし初日が明けて皆さんの感想を見ていたら軒並み評判がいい。そして今回の観劇に至る訳ですが、
観終わったあとの私の感じ方としては

『このチケ代は妥当なお値段』

でした。

強いて言うなら同名義での2公演目からはグッズなしも選べる、などがあればさらに良かったと思います。システム的に可能かわかりませんが今後もしそういった施行が出来るならば検討してもらいたいですね。そしたら圧倒的に2回目以降リピートしたくなるのに。全公演行きたくなるのに。

1枚のチケット、として考えたら楽曲CDがついてくるのはかなり満足度高いかと。発表時『声優さんの曲じゃないならいらない』という意見ももちろんありましたし、私もどちらかというと無理して買わなくていいかな程度だったので分かります。
でも情報解禁された動画で初めて舞台の曲や声を聴いて、現地で生を目にしてしまったらもうこのCDは手放せません。ありがとうございますって感じ。

楽曲CD、Tシャツ、大きめのビニールバッグなど大体の値段に置き換えて計算するとチケ代としては妥当か少しお高め、なんだと思います。
なんたって公演内容の満足度が凄いのだから。
見てるうちお金のことなんて忘れてしまう。
映像演出も最先端って感じで、素人目に見てもこれ絶対お金かかってるよな…なんですよね、しかもそれが決して無駄じゃない。役者さんのお芝居や歌に色を添える効果としてはかなり覿面で、頷けるものばかり。かっこいいステージでした。

初日が明けてダイジェスト映像が先日公開された時に思ったのですが、『あの高いチケ代がなぜその値段なのか』それって正直チケ発売のタイミングでは明確に提示できなかったというのが、発表時のあの騒ぎの1つの要因だったんだろうなと思います。
こうしてクオリティの高いとわかるダイジェスト映像を見ると、もしかしてグッズがついてるから高いのではなくて『情報解禁できない段階のチケ発売、あの高い値段で納得してもらうためにはグッズを付けざるを得なかったのでは?』と私は思いました。グッズを付けるというのはただ納得してもらうための方法でしかなくて本当にお金がかかっていたのは舞台の内容そのもの、1番大事な部分だったんじゃないかなって。

日本語下手で分かりづらくてすみません。
そういうふうに感じた人、少なからずいるんじゃないかな…。

でもこの辺の価値観はほんと人それぞれです。
高いものは高いし、グッズいらないよ!って人ももちろん居ます。席だって最前もあれば最後列もサイドシートもある。もうほんと、ここに関しては思い切って判断を下すしかないんだと思います。
ただ私は実際見てみなきゃわからないといつも思うし『意見を言うならお金出してちゃんと見てから言いなさい』と口酸っぱく言ってしまう質なので。

お金に多少余裕のある方で気になってる方は1度は見てもいいかもしれません。






さて、長くなりましたがもう少しだけお付き合いいただけると嬉しいです。
第1幕を終えると15分休憩で第2幕のライブに進みます。ここでストーリーは完全に終了です。



【第2幕】

第2幕はライブ!ここからは理性を失いつつ綴ります。

ホーンを使うのもこの第2幕です。
吹く場所は指定されてるので安心してください。会場が一体になるアイテムとして活躍してました笑


ライブパートは第1幕から舞台を彩っていたダンサーさんのパフォーマンスから始まります。一人一人お名前と共にそれぞれの得意技を中心にパフォーマンス。こういう時間が設けてあるって、なんかいいですよね。皆さんハイレベルでかなり良かったです。見る価値あり。

そしてブクロ、ハマ、アカバネのOPの再現。続いてチーム曲、デュエット曲とラストに全員曲。
劇中から代表的なものをって感じですがこのライブが30分ほど。30分結構ありますよ!?!?
リングライトなど、公式グッズならば本家のライブ同様に手を上げて大丈夫です!(後ろの方に注意してね)
掛け声も皆で合唱、いつものやつ、めちゃくちゃ楽しい、これぞヒプマイ。私はもうヒプマイのおかげで右手をあげることに慣れたオタクなので2階席でもがっつりノッてました。めちゃくちゃ楽しい。

客席降りも充実してます!!これ!これがね!!噂に聞いてたけどほんとよかった!!特に1階席の見えづらいであろうサイドシート?の方々、おめでとうございます!!って感じでした(*´ω`)

一郎と銃兎は2階席の近くまで上がってきてくれたり、銃兎に至っては青いリングライトをトリガーのハンドサインで撃ち抜いてくれるというファンサ付き。貴方が神か。いや、女神?もうわかんないけど私の席の少し前までは銃兎が来てくれたので青いリングライトをちゃんと振りました。楽しい~!!

最前列付近はもうほぼゼロ距離で左馬刻様や一郎が歌ってて、私なら失神するわ…って感じでした。同じとこに長いこといるんですよ。通路側の方とか注意してください、1番端で第1幕少し辛かった人もここからは安心してください。えっちな警官とか可愛い弟たちがゼロ距離まで来ます。2階から見てても分かりました。

とにかくこれはもうライブ。
リングライトを振って、ハンドサイン揺らして、聴き慣れたアンセムのフロウで殴られるわけです…舞台を見に来たのにこんなにしてくれていいんですか???って言うのが本音でした。いやほんと嬉しかった。次回以降も是非、この構成でお願いしたい。これがヒプステの伝統になるといい。


次回以降、ですが、これは完全にネタバレ。
でも、確定って訳じゃないよ。




第1幕のラストにシブヤとシンジュクのチームロゴがスクリーンに映し出されます。
今回のラストもブクロVSハマがこれから始まるぜ〜!!的なノリで終わってるので、次回track2ではシブヤとシンジュクでどちらかがメインで進む話、そしてその後の公演で待ちに待ったブクロVSハマなのでは…?って感じでしたね。大体次回は円盤が出る辺りでしょうか、それかその少し後。

私はハマ女なのですが、シブヤとシンジュクの公演でブクロやハマが出てなくてもまた来よう、と、率直に思いました。それくらい、見終わる頃には次回への期待度も上がっています。チケの倍率が上がるだろうなぁ…と悟りました…。




はぁ。

あまりに長くなったのでこの辺で終わりにします!(突然)


私たちが心配していたのは極端に言えば、『12人の声優さんたちがここまで大きくしてきてくれたヒプノシスマイクが、舞台化でおかしなことになってしまうんじゃないか』だったかと思います。誰しも1ミリくらいは思ったのではないでしょうか。

でも、私は断言しちゃいます。

1度、文中でも書きましたが『本気』と『リスペクト』を感じる内容、そしてキャラに徹してくれた役者さんたち、本当に素晴らしかったです。

少し高いチケですが、時間とお金のある方は是非検討してみてください。公式リセールなど枠は狭まってますがまだチャンスはあります。大千穐楽のライビュもかなり楽しめるかと思います。
私は元々ライビュだけの予定でしたが、現地に行く決意をして結局のところ現地に3回行く予定がたちました。笑ってくれて構いません。


本公演では大きな拍手を送るだけでは足りない感情が生まれました。
見終わった後、席を立つお客様方が皆さん笑顔だったのがとても印象的で、少し遠い2階席でもそれは起こってました。お一人で来ている方も、幸せそうな表情で勝手に私まで嬉しくなるほどに。


ここまで個人的な感想をただ広げただけの乱文長文にお付き合い下さり本当にありがとうございます。
気になってる方の背中をそっと押せてたらそれは嬉しいですし、自分には合わないかも……と今1度検討し直すのもありだと思います。



愛し方や楽しみ方は人それぞれです。
自分に合ったペースで、これからも愛し続けましょ。



とりあえず私はヒプステという沼にハマりました。
ヒプマイが、ハマが好きで本当に本当に良かったです。


追記
1129 自分の誕生日にチケ取って良かった。Happy。